フォーク・ソング

塚本 僕が殺意に近い憎しみを感じるのは、笑う人もいるだろうが、たとえば日本調のフォーク・ソング。つまらない散文に節をつけて歌ってる、下手くそなギターの伴奏で、―あれほどいやなものないんだ。熱狂的なファンもいるから、きっと、よく聴けば判るんだろうと思って、努力してFM放送なんかを繰り返し聴くことがあるのですよ。井上陽水、岡林信康、その他高名なフォーク・シンガーのを。
 やはりだめです。歌われている内容も恐るべき愚劣さ、空虚ですが、それ以前に言語感覚の貧しさは救いがたい。何たる汚い日本語だろうと思いますね。だからこそ、よけいに自分の短歌をもっと完璧なかたちで残しておきたい。いまじゃ短歌形式に惚れ切ってしまっているとも言えます。自分の言葉を残すための、いちばん完全な詩型かもしれないってね。

寺山 日常語に節がつくのはけしからんということは、演歌なんかだといいということですね。

塚本 まだしも我慢できる。

(「思想への望郷」寺山修司対談選 塚本邦雄)

へえ、そうなんだ。

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山田露結

Author:山田露結
1967年生。
aichi矢作川デルタ在住。
男。
俳句、つくってます。

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